2013年9月8日日曜日

全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍(機材編)

たまには機材について語ってみる

レースレポートではいつもサラッと流している機材について語ってみるテスツ。

(1)ギア比シミュレーション
 似非理論派である自分の愛読ブログ、0yamaさんの「Low Tech Cycling」からギア比シミュレーションをパクってます。シミュレータのところだけは自作して高所効果(Bassett)を追加していますが。

 下のグラフは乗鞍フルコースを一定強度で60分(ケイデンス:80rpm, チェーンリング:50x34T)で走った時のギア比シミュレーション結果です。オレンジがインナー(34T)、グリーンがアウター(50T)でカバーできる範囲になります。ケイデンス80rpm堅守だと34T x 28Tが欲しいですね。

どこかで見たことがあるグラフ(その1)

 ではケイデンス60rpmまで落ちるのを許容するとどうなるか。34T x 25Tでなんとかなりそうです。28Tがあれば多い日も安心(何

どこかで見たことがあるグラフ(その2)

 さらにケイデンス100rpmまで回すことを想定するとこうなります。するとなんと34T x 11Tで緩斜面区間もカバー可能に(ナ、ナンダッテー

どこかで見たことがあるグラフ(その3)

 つまりある程度(60rpm~100rpm)の範囲でケイデンスの変化を許容する前提で乗鞍は「フロントシングルはアリ」となるわけです。 「いや、わしは絶対80rpmじゃなきゃ嫌じゃ!!」という方はフロントダブルでどうぞ。

(2)フロントシングル化(実践編)
 フロントシングル化のメリットは『軽量化』『シフトチェンジ』。一方デメリットは『チェーン落ちのリスク』これに尽きます。

 最大のメリットかつ目的である『軽量化』はフロントのアウター・チェーンリング、フロント・ディレイラー、ワイアー類が不要になることから得られます。中級グレードのこれら一式を計ってみると200g強なので軽量化効果が1.0kg=60秒といわれる乗鞍では12秒分のアドバンテージになります。

フロントシングルにするとこのくらい軽くなる(Forceグレード)

 メリットの2つめ『シフトチェンジ』はフロントチェーンリングのシフトが要らない(出来ない)ために余計な事を考えなくて済む、です。 貴重な酸素の消費を減らせますね(ぇ

 フロントシングルの唯一にして最大のデメリット『チェーン落ち』です。通常チェーン落ちはフロントをアウターからインナーに変速した時に"内側に"落ちる事をさしますが、フロントシングルはリアをトップ側に変速した拍子に"外側に"落ちます。これは必ず起こるわけではないですが発生すると降りてチェーンをかけ直さなければならなくなる(=大幅なタイムロス)のでなんとか避けたいところです。市販の対策品だとシクロクロス用の製品(バッシュガード+チェーンウォッチャー)などがあるのですがソコソコ重くなってしまいシングル化のメリットがあまりでません。 そこで自分はこんなデバイス(チェーンウォッチャー)を自作しています。

+10gくらいになりますがこれで多い日も安(ry

 最後にフロントシングル化の考慮点としてパワーメーターとの相性もあります。クランク型パワーメーターの大多数(SRM、Cinqo、Power2Max)がスパイダーにストレインゲージを持っていてチェーンリングの剛性によってパワー表示が変わってしまいます。このためただアウターを取っ払うだけでなく自家校正する必要がありますし、自家校正しても正しい値が得られるかどうかは未知数です。なので誰か人柱してみてください(エー PowerTapかクランクアームにストレインゲージを持っているタイプが無難でしょう。

(3)軽量化総論
  フレームその他の機材はわりと一般的(3T Teamグレード、SRAM Forceグレード)で超軽量パーツの類は使っていません。トップの写真の状態で5.86kgでバーテープを巻けば普通にロードレースも走れます(UCI規定には引っかかりますが)

  もしヒルクライムに向けて自転車を軽量化したいとお考えの方は単価の安い部品から軽量化するのが費用対効果が高くてオススメです。雑誌の軽量化特集で大々的に取り上げられるフレームやホイールではなく、タイヤやチューブ類やサドル、ステム、シートポスト、ハンドルあたりからがお小遣い的にも丁度良いではないでしょうか。

全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍(レース編)

トップ+1:30でした
 ロードレーサー男子Dリザルト

結果は速報でお伝えしたとおりです。それではレース編です。

(1)スタート前
 今回の宿はクラブランのメンバーのご好意でスタート地点近くのペンションに泊まらせてもらいました。前夜に強い雨が降っていて中止も考えましたが開催の可能性に掛けて22:00就寝、4:30に起床。起き抜けに乗鞍観光センターを散歩しに行くと路面はやれそうな感じです。開催判断は6時発表ということですが開催に掛けて5時過ぎに自転車を並べに行きました。予備バイクのAddictを男子D-2の一番先頭に並べます。

軽量化し過ぎ(?)と多くの指摘を頂いたAddict

ペンションに戻って朝ご飯を食べてローラーでウォーミングアップ。途中短縮14kmコースでの開催という情報が飛び込んできたので入りのハイペースを想定してL6を2本入れて心肺機能に刺激を入れておきました。

Warm-up 30min.
fast pedal(+110rpm) 1min. 5rep.
L6 1min./0.5min.
Cooldown 5min.

7:30過ぎにスタート会場に行き今回のライバルmatさんと同じ1列目であることを確認。自分の周りで知っているのはK梠さんとmatさんくらい。自分はライバルとか意識すると変に力んでしまうのでレース前に誰が速いかはチェックしないことにしています。雑談しているうちに時間となったのでスタートラインへ。
matさんに話しかけて姑息に集中の邪魔する図

(4)スタート~CP1
 クリートキャッチに少し手間取るも5番手くらいで最初の左コーナーをクリア。この先が工事で狭くなっているのを知っていたので位置取りは上手くいきました。その後10分ほど走っていると集団先頭に出るのは自分、matさん、Y本さんの3人に固定されてくる。チラチラとGarminを見ると300W台を表示している。体感的にも余裕がない。怪我からの復帰戦のK梠さんがすぐ後ろに付いてきていたけどかなり息が荒くてキツそうだった。

 緩い区間に差し掛かると前に出てジワッとパワーを掛けて反応を見てみる。しかしそれほど差が付くわけでもなく脚を使っただけだった。しかし結果的にこの辺りで後ろが切れたようだった。ここから3人の勝負に。CP1は17分を少し切る位で予定より大分速い。昨年受け取ったドリンクも今年は余裕がないのであえなくパス。

(5)CP1~ゴール(CP2)
 CP1を越えて勾配が出てくると最初に飛ばしたツケで脚が重く感じる。CP1手前からはmatさんの一本引きでペースは落ち着くも2人からジリジリ離されていく。24分あたりで我慢しきれず切れてしまいここからはゴールまで独り旅に。

 呼吸がキツい、脚が重い、もう無理というときはペースを落として回復するしかない。呼吸がキツかったのでケイデンスを落としてペダルに体重を落としこむフォームに切り替えたら呼吸は少し回復した。前を見るとY本さんの背中が見えるのでジリジリと追いかける。しかしつづら折れ区間で背中が見えなくなる。後から聞いたら後半ペースをかなりあげていたらしい。

 10km地点を超えるとますます踏めなくなって来る。脹脛も左・右と順番に攣る。限界でこれ以上踏めない、前に追いつくのは無理、ここで止めたら楽になる、そんなことばかりを考えながらひたすら我慢の走り。Garminの表示は見るたびに落ちていき、ついに200W台まで落ちる。

 残り2km地点に差し掛かると下山グループが降りてきた。前回もそうだったけどC、Dのトップが勝負している時間帯に下山開始はかんべんして欲しいと思う。残り1kmは全く余裕が無い屍の様な走り。気がつくと最後のカーブでそこから残り300mはシッティングでスパート。ゴールタイムは手元のGarminで45:08だった。

 ゴール直後は酸素不足から頭はクラクラするし全身が痺れる。ヒルクライムは本当に身体に悪い。 そしてmatさんに完敗だった。Cクラスの知り合いの素晴らしい記録を聞きつつ、自分はトップから1分以上離されているので入賞も無理だろうな…と思いながら下山の準備をする。

(6)表彰台
 失意の下山を終えて乗鞍観光センターに戻ると嫁さんが順位を見せてくれた。5位入賞だった。もっと上を目指していたはずだけど入賞できたのは素直に嬉しかった。

 表彰式開始までの間に温泉に入ってジャージを着替える。自分は表彰式はサイクルジャージとレーパンと決めている。これがロードレーサーの正装だと思うから。 なので狙っているレースは着替え用のジャージ持参だったりする。そのままお持ち帰りになることも多いのだけど。

表彰式の登壇を待つ図(やや不満気)

(7)オマケ
 入賞(4~6位)するとこんなものが貰えるらしいです。去年の副賞Nori Climber Tシャツも全く着る機会がなくタンスの肥やし状態なのですが…
昨年からモデルチェンジ!(デザインが変わってます)

 次はJCRCシリーズ第7戦 KAWABAヒルクライム(Cクラス)です。得意の登りでチャッカリ昇級狙ってます。

2013年9月2日月曜日

【速報】全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍

ヒルクライムレースの入賞は今年初です

今年のメインターゲットレース全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍に参加してきました。

44:58.923(245W, 4.43W/kg), 年代別(男子D) 5位

目標は入賞(6位以内)でしたがなんとか達成できました。乗鞍に関する記事は3部構成として時間をみつけてボチボチ更新していこうと思います。

3.データ編

STRAVAにログを載せているので黄金のタレっぷりをご賞味ください。